智慧を開く
禅密功には、慧功(けいこう)という名の、
智慧の開発を伴う気功のやり方があります。
慧功は3つのプロセスにわけることができます。
中国語のまま書くと、
1.鬆展放収(しょうてんほうしゅう)
2.衝上貫下(しょうじょうかんげ)
3.周通空霊(しゅうつうくうれい)
中国語の慣用句などは通常最も一般的な音読みを当てて読みます。
1は基本練習、つまりこの気功の核心です。
心と体をゆるめ、広がって全体とひとつになり、自分の中心に戻るということをします。
2は天地、背骨を貫く上下の鉛直の方向に、無限遠まで気を貫いていく練習です。
3は全方位に開き、収めてくるなかで、自分自身の枠を超えて存在している自然界の霊妙な働きにふれていくことです。
では、あらためて智慧について考えてみましょう。
慧功の中心は「放」、つまり、自分の枠を超えて全体と溶け合っていくことです。
自分がとてもとても薄く軽くなっていき、
結果として全体が自分になっている状態です。
この時心はおだやかで持続的な喜び、楽しさ、ありがたさに満ちています。
この実体験そのものが智慧と言えるのではないでしょうか。
日常的な知識や思考はいわゆる意識の働きです。
ところが、意識化できていることというのは、広大な海の中に浮かぶ小島のようなものです。
島に住んでいると、そこだけが全てのように思いがちですが、
よく見ていくと、根っこは一つの大きな地球だったりします。
つまり、ここで考えるべき智慧というのは、
世間一般で言う頭が良いということとは少しニュアンスが違い、
自然界全体の働きをそのままに知り、その働きを用いるということです。
「外為我用」(=宇宙全体の働きを私自身のために用いる)
という言葉がそのあたりを象徴しています。
私が全体であり、全体が私であるという体験と実感に支えられて、
本当の智慧というものが働き出すように思うのです。
気功の神髄・第二回目はこの慧功を中心に、築基功を深めながら進めていきます。
お楽しみに。
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