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2003.1.1 気功的経済

(2003年エッセイより移転)

 大晦日に最後の発送作業を終えて仕事を納め、つきたてのやわらかいお餅を御供えし、伊勢のおかげ横町で仕入れた注連縄を玄関にかけました。注連縄には「笑門」と書かれています。2003年が、みなさんにとって幸多く、笑いの絶えない年になりますようにお祈り申し上げます。


日本一明るい
 朝日新聞の新年1日版に「?日本一?明るい経済新聞」の記事がありました。新聞を読むと、暗く重たい記事ばかりでうんざりすることがしばしばですが、明るい面 に常に光をあて続ける経済新聞は大阪を中心に3万部を発行。編集長、記者、営業を一人でこなす父を見て、娘さんが自発的に手伝いだす様子に、仕事の原点のようなものを感じました。

 自分が他の人達に対して、どれだけ有意義なことをしていけるのか、という、そのことが中心になって仕事をしている人達の話を聞くと、本当に胸がスーッとして、清々しい感じがします。その対極に位 置するのが、お金を儲けることが中心になって仕事をしている人達。大富豪がそうかと思われがちですが、実のところは金額の問題ではないと思うんです。お金がたくさんある人も、少しの人も、お金を中心に考えて動いている場合と、本来の仕事の心を中心に動いている場合の両方があり得ます。お金にばかり心がとらわれだすと本来の仕事ができなくなってしまう。かといって、お金のことを棚にあげてしまって本来の仕事のことだけ考えていると、お金が回らなくなって、仕事が続かなくなる。この矛盾をどう断ち切り、新しい経済生活を創るか?その答えに非常に近いところにNPOがあると思います。
  社会奉仕として志す活動を、非営利で、しかも自力で運営し続けていくのがNPO法人。お金のために働くとか、労働の対価を得るという考え以前に、まずみんなのためにこの仕事をやっていきたいというモチベーションがあって仕事をしていくのが、NPOで働くということの第1義。本当に有意義なことをやりたいようにやるという自由度こそがNPO法人に与えられた最大のメリットです。ただ、言われた仕事だけをするのではなくて、何をどのようにしていくのかという主体的判断ができる人材がそこに求められます。そして、その自ら工夫し新しい何かを生み出していく力こそが、運営の活力になり、確かな次の事業に向けて経済的にも安定した土壌を生み出すことでしょう。

お金という便利な道具
 お金は本来はとても便利なお道具です。効率良く役割分担をして仕事をし、お互いに足りないものをあるていど公平なレベルで自由に補い合うことができます。しかし、お金はその便利さから一人歩きをはじめ、お金さえあればなんでもでき、幸せになれるかのような幻想を生み出してきましたが、みなさんご承知のように、お金があることで不幸な人達もたくさんいます。
 問題は、お金そのものではなく、お金に対する執着心です。執着心をなくすということは、一般 にはとても難しいことと考えられがちですが、私たちはみな執着心のない子ども時代を過ごしてきているのです。だから、そこに戻るための方法さえあれば、執着がまったく無くなることはないにしても、あまり執着しなくなることは確かです。
 気功が本来目指している自然の状態というのは、まさしくそうした執着のない、子どものような純真無垢な状態です。そこに立ち戻った上で、理知的判断力を持って便利なものは活用し、正しく運用していくことが必要です。気功という自然回帰の基本技術をそうした役にぜひ用いていきたい。もっと根源的には、子どもに戻るという以前に、子どもの純真な心と感受性をそのままに育んでいけるような社会と教育の環境を整えていきたいのです。
 気功ということを学びながら新しい執着を作ってしまう場合も多々あるので、そこのところはいつも気を引き締めて、しかし、子どものような自由闊達な心と、こぼれるような笑顔をいつも忘れずに活動していきたいと思います。

気功的経済
 道具というものは、使う人あってのものです。道具に使われるのではなく、道具は道具として目的のために便利に使いこなす。そこに、良い仕事と、物心両面 の潤いが生まれることでしょう。私たちが活動で得る様々なお金は、全て一時的な預かりものであるというように、常々感じています。また、お預かりするお金を正しく生かすことによってのみ、お預け頂いた方々への本当の返礼となり、 またそうした活動こそが真の経済活動となるのではないかと思うのです。こうした、執着のない本来の経済活動のことを仮に気功的経済と呼び、その実現に向けて着実に歩みを進めていきたいと思います。

 

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