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気功の学校・気楽編 四十八

娘たちが通っている、一燈園小・中・高等学校の
「秋の学習発表会」がありました。

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見所が多く素晴らしい舞台でしたが、
中でも中高生が演じる能「紅葉狩」は見応えがありました。
前半では美しい女性の優雅な舞が、
後半は鬼の形相に変わって激しい立ち回りとなり、
刀で切られた鬼が直立不動のまま
真後ろへバタンと倒れる「仏倒れ」で幕となります。
この舞台のシテ(主役)は鬼で、
鬼を切り倒す平維茂はワキ役です。
正義の味方が必ずしも主役でなくてもよいというのは、
精神衛生上とてもスッキリするものがあります。
能の主題は、幽玄で目に見えない世界を目の前に作り出すことにあり、
そのために主役は鬼や亡霊であることが多いのでしょう。
また、面をつけることで表情の変化を極端に減らし、所作も最小限にして、
そのできるだけ何もない中から、こんこんとあふれてくる何かがふと立ち現れてきます。

目に見えない何かを体験するためにシンプルになっていくという面では、
気功も能に似ています。
余分な力を抜いて単純な動きを繰り返していく中にふと、
隠れていた体の自然の働きが立ち現れてくることがあります。
急にぽかんとなり、夢なのか現実なのか、動いているのかいないのか、
考えているのかいないのか、私はあるのかないのか。
今までそこにあったかのような境界がふっと消え、そしてまた元の感覚に戻ると、
何も変わっていないのだけれども何かが変わっているのです。

発表会の取材に来ていた方が
「生徒の目の輝きが違う」と言って驚いていたそうですが、
その輝きは何かによって磨かれたものというよりはむしろ、
元々ある自然がそのままに花開いている美しさとでも言うべきものでしょう。
感動の多い一日でした。

NPO法人気功協会運営責任者 天野泰司
※ 写真の前シテ 天野たま

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