潜在意識教育
一燈園の「伝わる教育」は、
世間一般の常識という物差しで見ると、
あまり現実味が無いように思われる方があるかもしれませんが、
野口晴哉さんの潜在意識教育の視点から見ると、
とても合理的なものだということが判ります。
晴哉さんの著作『躾の時期』では、
「子供がやたらに人にものを頼む。自分のことを自分でやらない。親は自分のことは自分でやりなさいと言いながら、自分は動かないで、子供にあれこれ言いつけている。先ず親が変わらなければならない。親が変わると子供も変わる。それを親は自分を変えないで、口喧しくガミガミ言い、自分はいい加減の事をしているくせに、子供には叱言を数できかせようとしているから、子供はいうことを聞かないのだ。」と書かれています。
つまり、顕在意識に
「こうしなさい」「こうしてはいけません」と言っても、
効果はあまりなく、
むしろ逆効果になっていることが多い
ということがまず言えます。
どなたにも経験があると思いますが、
私たちは、「こうしたらいい」と頭では判っているのに
なぜそれができないで、
わざわざその反対のことまでしてしまうのでしょうか。
それは、私たちの行動のほとんどが、
潜在意識の影響下にあるという
人間の心の構造がそうさせているのです。
つまり、表の意識には現れて来ない
潜在意識の中に入った情報が私たちの行動を決めるのです。
先の例で言えば、「自分では動かないで、口だけ動かす」
というような親の行動様式が子どもの潜在意識にすーっと入ります。
さらに、
「自分のことは自分でしなさい」と、親がくり返し言えば言うほどに、
「自分のことは自分でできていない」ということを、
子どもの潜在意識の中に植え付ける結果になっているのです。
では、どうしたら良いでしょうか。
晴哉さんの続きはこうです。
「しかし、変わるといっても、私は親に理想的な行動をしろとか、模範的な行為をしろと言っているのではない。子供の中にある見るべきものをはっきり見よと言っているのである。だから、これが良いとかこれが悪いとかいうように、人間の能力を区分しないで、それぞれの能力を使うものという角度から見て、その人間に必要なものを育ててゆく、その裡にひそんでいる能力を認めてゆくという考え方が要ると思う。皆さん自身がそういう考えになって、悪戯をしている中にもソッとその智恵を見、嘘をついている中にもその空想性を見るというふうに先ずそういう面で見、感じることをおやりになることだ。」
ここでのポイントは
親が子をどのように見ているかということです。
単純な判りやすい図式にすれば、
「悪い子だ」と見ていれば、子どもはそのように育っていく。
「賢い子だ」と見ていれば、子どもはそのように育っていく。
ということです。
ところが、賢い子にしたいがために
親はつい「あんたは悪い子ね!」と言ってしまう。
そういう条件反射的な不注意な言葉の使い方に
まず気づく必要があります。
しかし、大切なことは
言葉の使い方より以前に、
親の心の中の、子どもを見るまなざしなのです。
それは、
「賢い子にしたい」ということ自体が既に、
「頭の悪い子だ」と子どもを見ていることで、
そうした親の心がそのまま子どもの心に伝わっていき、
その伝わった心が子どもの行動に大きな影響を与えてゆくのです。
だから、
賢い子にしたいのなら、
その子の中にある賢さを見る。
やさしい子にしたいのなら、
その子の中のやさしさを見る。
そういう子どもが元々持っている天性
を見る目を持って子どもと接することが、
晴哉さんの言う
潜在意識教育だと言えます。
これが一燈園の「伝わる教育」の根幹にも
共通してあるものだと思います。
こうしたことは、
特別に教育だと言って身構えなくても、
気づいた時から、
今すぐにスタートできるのです。
そして、
子ども達の天性を見ることを
習慣にしていると、
自分自身の天性を見ることにもだんだん慣れてきて、
自らの心身をより好ましい方向へ自分で導いていくことが
とても楽にできるようになってゆきます。
自分で自分の心身を好ましい方向に
やさしく導くことは、
気功の中心命題。
つまり、潜在意識教育は
気功とは切っても切り離せないものなのです。
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